無意識に“力が入る”身体を解消させるには

“気づけば肩に力が入ってるな”“なんだか首がこわばっている”“呼吸が浅くなっている”
そんな“知らず知らずの力み”を感じることはありませんか?
それは、あなたの身体が「緊張モード」を受け入れているサインかもしれません。

私たちは日々、さまざまな刺激とストレスの中に生きています。
仕事、人間関係、時間の制約、スマホ・パソコンの画面、環境変化……
これらが無意識に「気を張る」状態をつくり、身体・筋肉は徐々に“ある程度緊張していないと安心できない状態”を記憶してしまうのです。

緊張そのものがすべて悪いわけではありません。
むしろ、適切な緊張(=交感神経の働き)は、私たちが動いたり集中したりするために必要なものです。
ただ、そうした緊張が “緩む時間なく” 続くと、筋肉疲労・自律神経のアンバランス・心の疲弊を引き起こしてしまいます。

なぜ“無意識に身体に力が入る”のか? =メカニズムを知る

  1. 防御(準備)反応としての筋肉緊張

身体はストレスや不安、予測できない刺激に対して、防御・備えの意味で筋肉を緊張させます。
たとえば、何かトラブルを想像したり緊張する場面を思い浮かべるだけで、首・肩が固まるという経験は誰にでもあるでしょう。

  1. 呼吸パターンと自律神経の関係

呼吸は、自律神経(交感神経・副交感神経)と直結している“意識できる”唯一の方法です。
速く浅い呼吸は交感神経を刺激し、ゆっくり深い呼吸は副交感神経を優位にする作用があります。

たとえば、呼吸をゆっくり吐く時間を長くする「長生き呼吸法(口から6秒で吐いて鼻から3秒で吸う)」という手法も知られています。
(第一三共ヘルスケア「自律神経を積極的にコントロールする方法」 https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/selfcare/autonomicnerves-04/

また、「5・3・8呼吸法(5秒吸う → 3秒止める → 8秒吐く)」という呼吸法も、緊張をほぐす呼吸法として紹介されています。
(Breather コラム “リラックス効果がある呼吸法” https://www.breather.co.jp/columns/relaxing-breathing-techniques/

  1. 慢性的な姿勢・筋肉への負荷蓄積

パソコン操作・スマホ首・うつむき姿勢・猫背など、日常姿勢の癖が筋肉を常時緊張モードにしてしまいます。
関節・筋膜の硬さが“ゆるみにくい身体”をつくってしまうのです。

  1. 緊張を「当たり前化」してしまう慣れ(適応

最初は違和感があった“力み”も、長く続くと慣れてしまい、「力みが正常状態」になってしまうことがあります。
それこそが、「本当は緩みたいのに緩めない身体」が出来上がってしまう背景です。

“力み常態”が引き寄せる不調:身体と心のメッセージ

意識せずに身体に力が入り続けると、以下のような症状・不調を伴うことが多いです。

・肩こり、首こり、背中の張り

・頭痛・偏頭痛

・腰痛・関節のこわばり

・呼吸が浅く、息苦しさを感じる

・胃腸の不調・消化不良

・不眠・寝つきの悪さ・中途覚醒

・疲労感・だるさ

・気持ちの揺れ・イライラ・集中しづらさ

さらに、こうした不調が慢性化・重症化すると、自律神経失調、うつ傾向、パニック障害、不定愁訴として現れることもあります。

リラクセーション法(呼吸法・漸進的筋弛緩法など)は、ストレス反応を和らげる技法として心理医学・心身医学の領域で幅広く用いられています。
日本心身医学会のリラクセーション法の論文では、漸進的筋弛緩法・自律訓練法・バイオフィードバック法などがストレス関連症状の改善に用いられると紹介されています。
(J-Stage「リラクセーション法」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/57/10/57_1025/_article/-char/ja/

また、厚生労働省のeJIMでも、漸進的筋弛緩法が不安・抑うつの軽減効果を持つ可能性について言及されています。
(eJIM 「不安」 https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/overseas/c05/04.html

漸進的筋弛緩法の具体研究例として、アスリートを対象とした研究では、緊張と弛緩を意図的に行うことで筋の緊張度が減少したという報告もあります。(日本体育大学紀要「漸進的筋弛緩法の継続が筋の緊張と弛緩の主観的変化に及ぼす影響」 https://nittaidai.repo.nii.ac.jp/record/1213/files/41-2-125-130.pdf

“ゆるむ身体”を育むための具体メソッド

当院では、セルフケアと施術(整体)的手法を組み合わせて、“緩みのサイクル”を育ててもらうことを柱としています。
以下は、読者・患者さまにその一端をお伝えできるセルフケア法と、施術的アプローチの例です。

A. セルフケア:ご自身でできる“緩める習慣”

  1. 呼吸法(意識的な深くゆっくりな呼吸)

腹式呼吸:椅子に座る/仰向けに寝るなど姿勢を整え、お腹(下腹部)に手を当てて行います。
息を「ゆっくり吐く → 吸う」ことを意識します。
厚生労働省の解説でも、「腹式呼吸をくり返す」ことがストレス軽減につながるとされています。
(厚生労働省「腹式呼吸をくり返す」 https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_03.html

長生き呼吸法:口から6秒かけて吐き、鼻から3秒かけて吸うというリズム呼吸法(「自律神経を積極的にコントロールする方法」) https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/selfcare/autonomicnerves-04/

5・3・8呼吸法:5秒吸う → 3秒止める → 8秒吐く、というリズムで呼吸をするメソッド(Breather コラム) https://www.breather.co.jp/columns/relaxing-breathing-techniques/

呼吸は、短時間でも行うことで心身に落ち着きの信号を送ることができます。

  1. 漸進的筋弛緩法(Progressive Muscle Relaxation: PMR)

身体各部位を順番に “軽く力を入れる → 緩める” を繰り返す方法です。
おおよその流れ:

例として、両手 → 前腕 → 上腕 → 肩 → 首 → 顔 → 胸 → 腹部 → 下肢へ順に

各部位10秒程度力を入れ(6~7割程度の力加減)、ゆっくり力を抜きます

緊張 → 脱力の感覚の違いに意識を向ける

この方法は自律神経系に作用し、リラクゼーションを誘導する効果が報告されています。(Awarefy「漸進的筋弛緩法とは?」) https://www.awarefy.com/coglabo/post/progressive_muscle_relaxation

ただし、体力が落ちている方、呼吸器疾患・循環器疾患などをお持ちの方、強い精神的ストレスを抱えている方は慎重に行うべきとの注意もあります。(日本緩和医療学会ガイドラインPDF参照) https://www.jspm.ne.jp/files/guideline/cam_2016/03_07.pdf

  1. ゆるめるストレッチ・呼吸筋ストレッチ

首・胸・横隔膜・お腹まわりのストレッチは、呼吸の可動性を広げ、“ゆるみ体質”を育てます。
たとえば呼吸筋ストレッチは5種類紹介されており、ゆっくり3回行うだけでも効果を感じる人がいるという情報もあります。
(山陽会クリニックコラム「自律神経失調症の自力でできる治し方」 https://sanyokai-clinic.com/kokoro/8051/

  1. マインドフルネス・瞑想・イメージ誘導

呼吸や体の感覚に意識を向け、“今”に集中する時間をつくることは、緊張モードから段階的に抜け出す助けになります。
呼吸法・漸進的筋弛緩法などと組み合わせて活用されることが多く、ストレス耐性を育む技法として心理療法の現場でも採用されています。
(J-Stage「リラクセーション法」) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/57/10/57_1025/_article/-char/ja/

  1. 入浴・温熱刺激

38〜40℃程度のお湯に10〜15分程度つかることで、血管拡張・筋緩和効果が得られ、自然なリラックス反応を誘導できます。

B. 整体/施術的アプローチ:当院の専門性を活かして

当院では、気功と整体を中心に、以下のようなアプローチを組み合わせ、「緩みやすい身体基盤」をつくることを目的としています。

呼吸・胸郭可動性調整
 肋骨・胸郭の滑りを整え、呼吸が深く自然に入るように導きます。
「呼吸できない=緊張の出口が塞がれている」ことが多いため、これが緩みに向かう第一歩になります。

筋膜リリース・トリガーポイントへの軽刺激
 凝り固まった筋膜やトリガーポイント付近を緩め、筋肉の滑走や弾力性を取り戻します。
こうして“ゆるみ残り”を減らし、緩みやすい筋肉環境を作ります。

神経誘導・自律神経バランス調整
 軽い誘導圧やソフトな刺激で、副交感神経を優位に導く技術を使い、交感‐副交感の切り替えをスムーズにする援助を行います。

定期メンテナンスとセルフケア連携
 身体には“ゆるみ癖”を取り戻す時間が必要です。
定期的な整体セッションと、呼吸法や筋弛緩法を組み合わせたセルフケア指導により、緩み循環を育てていきます。

まとめメッセージ:緩みの時間を、あなたの日常へ

身体に“緩もうとする力”は、誰の中にもあります。
ただ、“常に力んでいる状態” に慣れてしまうことで、その力が眠ってしまうのです。

まずは、“呼吸” に意識を向け、“ゆるめる習慣” を少しずつ取り戻してみてください。
そして、無理なくそのサポートとなる整体アプローチを取り入れていただければ、あなたの身体は段階的に「緩みやすい状態」へと変わっていきます。

当院では、あなたの「緩みたい」と願う身体を、丁寧にサポートいたします。
どうぞ、力む時間と同じくらい、ゆるむ時間を大切にしてくださいね。

自律神経でお悩みの方はLINE予約できます。
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併設 あがり症(赤面症)専門の心理療法院
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自律神経の乱れから腰痛、肩こりまで
大阪城東メンタルヘルス気功整体院
院長  上西 誠

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