第13回:エネルギー療法(気功)との出会い

出張施術で、色んな経験を積む事により、また新たな課題が見えてきました。

それは、体の痛みに対応出来ても、原因不明の症状やストレスから来る諸症状に対応出来ない点です。

今でこそ、そういう症状の患者さんは大歓迎ですが、当時は改善しない症状に頭を抱えて悩んだものです。

そこで、ストレス性の症状に対応出来る技術はないかと色んな情報を集め出しました。

その中で、今の施術の根幹になっている「エネルギー療法」と出会ったのです!

分かり易く言うと、「気功」ということです。
当時の私は、唯物論者で目に見えるもの以外は全く信じていませんでした。

ですので、最初は「気功?????(苦笑)」という反応でした。(笑)

それでも、経験は大事という気持もあったので、実際にエネルギー療法を使っている整体院に出かけ、そこの院長先生にお話を伺うことに!

お話を聞いていると、どうもウソでは無さそうな雰囲気です。
そこで、更に深く体験する為、今度は患者としての立場で施術して貰う事にしました。

すると、「あれ?あれ?あれ?」と頭の中では?マークが満開!触られたところの痛みが消えて行くではありませんか!

最初は触った力が緩いのではないかと疑りましたが、そうではない事はすぐに分りました。

施術終了後、気持はスッキリとし、痛めていた背中痛みが消えている事にも驚きました!

「これが本物なら、絶対に身に付けたい!!」と、この時強く感じました!

でも、まだどこかで納得していない私がおりました。(巧妙なトリックで騙されてるのではないか?)

また、施術技術と言いながら、変な思想や考えを植え付けられないか?

色々な新興宗教がマスコミを賑わせていたので、少し不安になったのです。

気持がスッキリしたのは気のせいだとして、その時感じていた背中の痛みが消えたのは紛れもない事実・・・。

それに宗教っぽい雰囲気は皆無で、勧誘もまだされていない。
納得する為に、今度は違う数人の先生にメールで問い合せてみたり、教えてくれる会にも直接何度も問い合わせをしましたが、インチキや宗教とは全く違うとの答えでした。

疑ってみてもキリがないと考え、結局自分が納得する為には、やってみるしかないという結論に達しました。(遅い!)

正直な話、ここまで慎重だったのは、施術テクニックを教えて貰う為の費用がかなりの大金だったので腰が引けてたのです。(笑)

そして、いよいよエネルギー療法を身に付ける為に、勉強会に出かける時がやってきました!

身に付ける為に、2泊3日の日程でその技術をみっちりと叩き込まれます!

夜も遅くまで練習があるハードなスケジュールでした。
その日程を聞いただけで、(やはり怪しいんではないか?)と腰が引けましたが、自分に活を入れて、出発!場所は新幹線に乗っていかなければならない所でした。

緊張しながら、待ち合わせ場所に行くと、私と同じように新しい施術技術を身に付けようとしている施術者が沢山おられて、少し安心(ホッ)。

しばらくして、迎えに来てくれた会の方の車数台に分乗して、会の本部に向かいました。

車に揺られる事、約1時間、やっと到着!
着いてみると、そこは思ったよりも怪しげな雰囲気ではなく、規模は大きいものの、普通の整体院でした。

そこには、同じ服装をした、勉強会のスタッフとおぼしき方が5~6人。

その服装は、白衣ではなく、作務衣に似た会オリジナルのユニフォーム・・・。(やっぱり怪しい!)

そして、いよいよエネルギー療法の勉強会は始まったのでした!

この勉強会でエネルギー療法を習得出来るのか?!

私は無事に洗脳されずに戻る事は出来るのでしょうか?

連載企画「私の施術家への道」 14

第14回:エネルギー療法(気功)の習得

セミナー参加者が全員会場に入ってから見回すと、ざっと40人くらい居られるでしょうか?

大勢の参加人数にホッとしながら、隅のスペースに自分の荷物を置きました。

しばらくすると、会の主催者が前に出てきて、3日間のセミナーの内容について、説明を始めました。

見たところ、50代後半の温厚な顔つきの大柄な男性です。
この男性が会の会長でした。

服装は怪しげでしたが、見たところ、普通の人で更に安心。(笑)
その後、参加者全員の自己紹介が終わった後、いよいよセミナーの始まりです!

まずは、効果を全員に知って貰う為、参加者に施術体験したい人を募りました。

何人かの人の手が上がり、会長から選ばれたひとりが前に呼ばれます。

少し緊張気味の男性に、会長が痛い所が有るかどうかを確認すると、「腰が痛いです」との答え。

会長は、どんな動きをすると痛いのかを確認してから、痛い腰に手を当て、数秒間静止状態。

その後、もう一度その男性に確認の為に動いて貰うと、男性は驚いた表情で、痛くない事を告げました。

その要領で、数人の人を手際よく施術していき、施術された全員が、驚いた表情で「痛くない!」を連発!

あまりの施術効果に、(前に出て行ってる人たちは、サクラではないか?)と思ったほどです。

そして、いよいよ私の番が回ってきました!
(自分で体験すれば、確信を持てる!)と思った私は、背中の痛みを再発してたので、それをお願いする事に。

すると、少し手を当てただけなのに、確かに痛みは消えて居るではありませんか?!

これでエネルギー療法に対する疑惑の心はなくなり、積極的に身に付ける決心が出来たのです!

それからの3日間は、忙しい毎日でした!
正式なセミナーは夕方6時頃に終わるのですが、夕食後、会が宿泊に用意してくれたホテルで、希望者のみが参加する夜間セミナーが11時ころまであり、懸命に練習しておりました。

それが終わった後も、講師の先生の部屋で熱く施術談義をして1日目は終わりました。

そして2日目です!

この日は、エネルギー療法が使えるようになる為に特に大事な日です!

何をするのかというと、エネルギー療法(気功)が使えるようにする為に、身体に穴を開けるのです!

身体に穴を開けると言っても、手術をするわけではありませんよ。(笑)

この会での説明はこうです。

エネルギー療法で使うエネルギーは、自分自身のエネルギーを使うのではなく、自分の身の回りにあるエネルギーを使うのだそうです。

その身の回りのエネルギーを使うには、自分の身体に一度取込む必要があります。

取込む為には、外気のエネルギーを取り入れる為の穴が必要になるのだそうです。

その穴は、元来どんな人でも持っているそうなのですが、普段使わない為に、詰まってしまっているので、それを開けるとの事でした。

私の頭の中では、汚れて目詰まりをしたホースを掃除するようなものと受け取りました。

そして、いよいよその穴を開ける「儀式」が始まったのです!ひとりずつ名前を呼ばれ、その「儀式」を行なうベッドに横になります。

終わった人を捕まえて、「どんな感覚でした?」と尋ねると、ある人は目が回ると言い、別の人は明るい光が見えたというのです。

そしていよいよ私の名が呼ばれました!
名前を呼ばれて行った場所は、ベッドが1台置かれた仕切られた空間でした。

そのベッドの周りに会長とその他に2名の方、合わせて3名の方が穴を開ける為の準備をして居られました。

ベッドに上向きで寝るように指示をされ、まな板の上の鯉の心境で、目をつむります。

ベッドの周りでは服が擦れるような、「カサカサ」と微かな音は聞こえるものの、特に何をしている様子もありません。

すると、しばらくすると目をつむった私の頭の中で、何かがグルグルと回り始める感覚が!
(なんだ、これは!)と思うものの、身を委ねるしかない私は、その感覚を楽しむことに。

2~3分後、グルグル回る感覚が収まるころに、「終わったよ」と声が掛りました。

お礼を言って、他の受講生のところに戻る私。
自分でどう変化したのか分らないまま、全員の「儀式」が終わるのを待ちました。

そして、いよいよ自分たちでやってみることになったのです!まだまだ半信半疑の受講生でしたが、私は半信半疑どころか、9割疑っておりました。(笑)

本当にエネルギー療法を使えるようになったのか試す為に、受講生同士で体の痛いところを確認し、見よう見まねでエネルギーを流すことに・・・。

私も向こうで初めてお会いした方とペアを組み、まずは私が実験台としてベッドに横になりました。

触られると、痛い所だらけ!
まだお互い初心者なので、今思えば生理的な痛みもあったかも知れませんね。

痛い所を確認した後、私にエネルギーを流して貰いました。
その方は、自信がなかったこともあり、10分も流し続けてくれました。

そして、いよいよ痛みが無くなっているかの確認です!
恐々触りながら、「どうですか?」と尋ねられました。

すると、完全に楽にはなっていないものの、最初と比べて痛みはかなり軽減されているではありませんか!

それを伝えて、ペアの相手とお互いにガッチリと握手!
次は私の番です。

緊張しながらも、相手の体の張りを確認するため、首や肩、背中を触っていきます。

相手の方もガチガチの状態で、「痛い、痛い」と連呼!
そして、いよいよ初めてエネルギーを流す為にポイントへ手を置きました。

焦らないで、リラックスを心がけたものの、やはり緊張してたようで、気付ば私も10分くらいそのままの状態で固まっていました。

(もういいだろう)と手を外し相手の体をもう1度触ってみますと、心なしか柔らかいような感触が伝わってきました。

「痛みはどうですか?」と尋ねる私に、ベッドに寝たまま、「痛くないですよ!」とのお答え!

嬉しい気分と共に、(気を遣ってそう言ってるんではないか?)との疑念が・・・。
本当に疑り深い私です。(苦笑)

相手を変えて、自信をつける為の実習が始まりました。
色んな人と試し合いましたが、やはり痛みが楽になっていることをお互いに確認!

こうなれば、疑いの余地が入る隙はありません。
私の中で、「気」の流れる穴が開通したのです!

この時の不思議な感覚は今も忘れることはありません。
この後は、夢中で練習しました。

私が習ったエネルギー療法の使い方のバリエーションは幅広くあり、腰痛を効果的に取る為の大事なポイントや肩こり、四十肩の施術法など、体の痛み除去からバストアップ、ヒップアップ、小顔にする為の方法といった美容関係など多種多彩でした。

それらを集中して学んでいくのですが、情報が多すぎて消化する為の時間が帰阪後、掛ったことを思い出されます。

中でも衝撃的だったのは、心のストレスを抜く方法でした。
当時の私はかなりストレスを抱えることがありました。

そう言う状態だったので、ストレスを抜く講義が始まると、実験台として真っ先に手を上げたのです。

当時のやり方は今より古いバージョンだったのですが、頭から嫌なことが抜けるような感覚になり、終了後に本当にスッキリしたのです!

(これは凄い!)と感動し、必ずこの技術を身に付けると決心したものです。

今では、私のバリエーションも増えましたが、この時のテクニックは時々使っており、やはり効果は絶大です!

この様に夢中で2泊3日のセミナーを終えましたが、実に私の人生にとっても意義深い3日間でした!

疑いもなく、この3日間がなければ、今の私は存在しません。
多くの方に感謝しながら、大阪に向かい新幹線に乗りこんだ私です。

ところが、帰阪後に接骨院で使用しようとしたのですが、思わぬ障害が!

連載企画「私の施術家への道」 15

第15回:エネルギー療法(気功)の修行

大阪に帰ってから、早速家族の体を実験台に、エネルギー療法を試してみました。

セミナーでは出来たものの、エネルギー療法を全く知らない人間に試してみたことはないので、その効果を改めて確信したかったのです!

帰宅早々に、妻を相手に施術を始めました。

まず全身の状態を確認するために筋肉状態のチェック。
全身ガチガチで、「痛い、痛い」と叫んでおりました。

(苦労かけてるな)と感じながら、そこからエネルギー療法の開始です。

数分後、妻の体を触ると、かなり柔らかくなってるような感触!
妻にも確認してみると、「全然痛くない!ほんとに同じ力でやってる?」と言われるほどでした。

自分に自信を持たせるために、最初よりも遥かに強い力で触ってるのもかかわらず、妻に疑われるほどの効果でした!

これに気を良くした私は、次の日から接骨院でもドンドン使おうと思っていましたが、実際の現場では、難しいものがありました。

接骨院に行ったことがある方ならわかると思いますが、ベッドで施術を受ける時間は短いものです。

私の行っていたところでは、20分前後でしたが、その時間で全身をほぐさなければならないので、慌ただしくもみ続けることがほとんどです。

でもエネルギー療法の場合、私の施術を受けてる皆さんもご承知の通り、全身の状態を確認した後、体に手を当ててエネルギーを流す時間が必要です。

この流している時間は当然そのまま手を動かすことなく、ジ~~っとしているわけです。

この時間が一番大切な時間でもありますが、揉まれなれてる方には、この時間が(何をやってるの?早く揉んでくれ!)と感じさせてしまうのです!

接骨院に来られる方は、揉まれるのが目的で来院されてる方も多いので、それも無理ありません。

私の勝手な施術法にお付き合いしていただくわけにはいきません。

他のスタッフからも、奇異な目で見られてしまうため、使いづらい施術法でもありました。

そこで考えました!

ならば、仲の良い患者さんに事情を説明し、了解を頂いたうえで、エネルギー療法を使うならば、構わないだろうと・・・。

そして、自分指名の患者さんに理解を頂いたうえで、多くの方に体験してもらったのでした!

出張治療では、誰に気にすることもないので、完全にこの方法に移行し、効果を上げて自信をつけていきました!

そして、新たな試みを始めることに!それは・・・