不眠は心身の緊張

なぜ“体に力が入り続ける”と眠れないのか?

~自律神経とエネルギー、呼吸がカギ~

こんにちは。大阪・城東区で自律神経改善を専門に整体院を営んでおります、大阪城東メンタルヘルス気功整体院の上西です。
今回は「ずっと体に力が入って抜けない」「夜になってもリラックスできず眠れない」というお悩みをお持ちの方に向けて、「なぜ眠れないのか」「どうすれば眠れる身体に戻せるか」を、整体・自律神経・呼吸・エネルギーという視点から解説いたします。

■ 「体に力が入り続ける」とはどういう状態?

夜になっても肩や首がガチガチ、寝る前になっても“抜けた”感じがしない…
そんな方は少なくありません。
⇨ これは単なる「緊張している」だけではなく、身体の中で「リラックスするための準備」「切り替え」がうまく働いていない可能性があります。
具体的には

・昼間によく動いた日は「今日はよく眠れそうだ」と感じるけれど、翌朝のだるさが残る。

・横になって「脱力しなきゃ」「寝なきゃ」と思っても、筋肉が勝手に緊張しているような感じ。
こうした状態は、実は「眠るためのスイッチ」が入っていない=“眠れる身体”ではないというサインです。

■ なぜ“力が入り続ける”と眠りづらいのか?その背景にある3つのメカニズム

交感神経優位・自律神経の切り替えがうまくいかない
 身体が常に「何か起きるかもしれない」「備えなければ」というモードだと、“戦う・逃げる”を司る交感神経が優位となり、筋肉が緊張しやすくなります。

実際、「睡眠時間が短い・睡眠の質が低い」人は、心拍変動(HRV:自律神経の指標)において副交感神経(休息モード)の活動が低く、交感神経(警戒モード)が高いという関連が報告されています。→「Sleep Duration and Quality in Relation to Autonomic Nervous System Measures: the Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis (MESA)」参照 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5070747/

つまり、眠るためには「交感神経を鎮め」「副交感神経を優位にする」ことが鍵ですが、その前提として“身体が切り替え可能な状態”であることが必要です。

眠るための“エネルギー”が足りない=回復に追いついていない身体
 眠ること自体もエネルギーを要します。
つまり「眠れない=とにかく眠ればいい」と考えるのではなく、「眠るための準備=身体が回復・切り替えできる体力・代謝」が整っているかが大切です。

例えば、貧血・代謝低下・筋肉の緊張・胸郭や呼吸の制限などがあると、眠るための“余力”が足りず、いくらリラックスしようとしても“眠れる身体”になりづらいのです。
自律神経・睡眠・呼吸の相互関係を整理したレビューも出ています。→「Autonomic Dysfunction in Sleep Disorders: From Neurobiological Basis to Potential Interventions」 https://www.thejcn.com/DOIx.php?id=10.3988%2Fjcn.2022.18.2.140
このような状態では、動いた日は「よく眠れた気がする」ものの、実は“気絶に近い消耗”だった可能性もあります。

呼吸・胸郭・横隔膜の可動性が落ちている
 肩が張る、首が固い、胸が動きにくいといった方は、胸郭・肋骨・横隔膜の動きが制限されていることが多いです。
呼吸が浅くなったり、息を吐ききれなかったりすると、酸素・代謝・自律神経の切り替えに影響が出ます。
研究では、呼吸を整えることで睡眠の開始・維持に好影響を与えるという報告もあります。→「Self-Regulation of Breathing as an Adjunctive Treatment of Insomnia」 https://www.frontiersin.org/journals/psychiatry/articles/10.3389/fpsyt.2018.00780/full

 つまり、「脱力しよう」とする前に、「呼吸・胸郭・可動域が整った身体」を作ることが重要です。

■ “抜けない身体”を“眠れる身体”に変える3ステップ

当院では、不眠に悩む方に対し、次の3つのステップを柱に施術・指導を行っています。

ステップ1:エネルギーを増やす(回復できる身体をつくる)

肋骨・胸郭の動きを整え、横隔膜がしっかり動くようにアプローチ。

背面(起立筋など)肩甲骨まわりの緊張を減らし、呼吸時の動きをスムーズにします。

呼吸運動…息を吸うときに腕を少し挙げ、吐くときにゆっくり下ろす動作を取り入れ、「吸える・吐ける」状態を身体に覚えさせます。
このような呼吸・胸郭運動は、副交感神経優位を促すというデータがあります。→ https://www.frontiersin.org/journals/psychiatry/articles/10.3389/fpsyt.2018.00780/full

ステップ2:無駄なエネルギー消費を止める(力み・警戒モードを軽くする)

原始反射の残存や自律神経の過緊張により、休んでいるつもりでも身体が常に“抜けない”状態になっている場合があります。

安心感を神経系に届けるための言葉掛け・感覚リセット・脱力訓練などを通じて、身体が「もう戦わなくていい」という状態に切り替わるよう支援します。

研究では、不眠を訴える方には「ハイアラウザル(高い覚醒状態)」が関与しており、ストレス反応・交感神経優位の軽減がポイントとされています。→ https://www.dovepress.com/hyperarousal-and-sleep-reactivity-in-insomnia-current-insights-peer-reviewed-fulltext-article-NSS

ステップ3:栄養・代謝の視点を補う(眠る・回復する体を中から支える)

睡眠・呼吸・代謝を効率よく機能させるには、栄養と酸素が重要です。
特に鉄、マグネシウム、ビタミンB群といったエネルギー代謝や神経伝達に関わる栄養素は、睡眠の質とも関連しています。
例えば、鉄やビタミンDの欠乏が睡眠障害・レストレスレッグ症候群と関係しているという報告もあります。→ https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10997906/

また、栄養・運動・睡眠の関係を整理した文献もあり、「ライフスタイル(食事・運動)が睡眠の質に大きく影響する」と強調されています。→ https://sleep.biomedcentral.com/articles/10.1186/s41606-023-00090-4

つまり「寝るための仕組みを整える」ためには、体の“中”を整えることも無視できません。

■ よくある誤解とその整理

「眠れないから薬を使ってでも眠らせなければならない」と焦る方が多いですが、根本は「眠るための身体状態=回復できる身体」「自律神経が切り替わる身体」が整っていないことです。

「緊張を抜く=脱力だ」と早合点しがちですが、脱力“できる”ためには、まず「呼吸・胸郭・筋肉」が準備されていなければうまく機能しません。

「たくさん動いた日は眠れた」という場合も要注意。
実際には“回復”ではなく“消耗”によって眠くなった可能性があります。翌朝に疲労感が残っていませんか?

■ 最後に:眠れる体を取り戻すために

「体に力が入り続ける」「抜けない」「眠れない」という訴え。
これは決して“気のせい”ではなく、身体が休息・回復・切り替えできる状態ではないという重要なサインです。
当院では、自律神経・呼吸・栄養という3つの柱を統合的に整えることで、「眠れる身体」「休める身体」「力を抜ける身体」へと導くサポートをしています。
もし「布団に入ってもなかなか眠れない」「朝起きてもスッキリしない」「昼間も力が抜けない感じがする」などのお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。あなたの身体が真に“休める”“切り替えられる”ようになるお手伝いをいたします。

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自律神経の乱れから腰痛、肩こりまで
大阪城東メンタルヘルス気功整体院
院長  上西 誠

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